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第42話 昔の婚約者から、今の私へ

last update publish date: 2026-10-26 20:53:54

第42話 昔の婚約者から、今の私へ

王太子アルベルトからの手紙が届いたのは、新しいペンをもらってから二日後のことだった。

それは王家法務局の正式文書とは別便で送られてきた。

王家の封蝋ではない。

王太子個人が使う、金の獅子と百合を組み合わせた紋章。

リゼットは、その封筒を見ただけで誰からのものなのか分かった。

記憶は残っている。

アルベルトのことは。

幼い頃から婚約者だったこと。

一緒に王宮の庭を歩いたこと。

勉強をしたこと。

叱られた時に慰めてもらったこと。

そして。

最後。

ミレイユの呪いを引き受けろと言われたこと。

『もし私のことを忘れたとしても、また思い出を作ればいい』

あの言葉も。

まだ。

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